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さい帯血とは

日本さい帯血バンクネットワークとは

平成10年1月より、国はさい帯血移植事業を進めていくための検討会を設置し、公開の場における審議を重ねた結果、平成11年8月に「日本さい帯血バンクネットワーク」を設立し、財政支援を行うことになりました。
 日本さい帯血バンクネットワークは、それぞれ独立した11個の(2003年4月1日現在)地域バンクの集合体であり、さい帯血移植に必要なHLA(白血球の血液型)情報等の全国一元管理および公開適合検索、より安全なさい帯血の保存と提供のための検討など、移植が公平かつ安全に行われるための事業を行っております。

さい帯血バンクが必要なわけ

日本では年間1,000〜1,500人程度、骨髄移植を必要とする患者さんがいます。しかし、実際の骨髄バンクを介した移植は年間約700例で、希望しても移植を受けられない患者さんが大勢います。骨髄バンクのドナー数が十分ではないこと、コーディネートに時間がかかり、移植を待てない場合があることなどの理由があります。このような患者さんが、移植を受けることができる新しい治療がさい帯血移植です。そのためにさい帯血の保存と提供を行うのがさい帯血バンクです。

さい帯血バンクには事前のドナー登録制度はありません

さい帯血バンクは、骨髄バンクのような「ドナー登録」の制度はありません。さい帯血バンクで協力をお願いしている産科病院で出産予定の妊産婦の方で、さい帯血の提供に同意して下さった方からさい帯血を採取させていただきます。

さい帯血バンクでは細胞そのものを保存します

骨髄バンクでは、ドナーの血液検査を行って白血球型を登録します。さい帯血バンクでは、出産の時にさい帯血を採取し、その時点でさい帯血そのものを凍結保存します。移植を希望する患者さんは、凍結保存されているさい帯血の中から自分に合ったものを選択します。そのため、たくさんのさい帯血を凍結保存しておくことが必要です。

さい帯血移植では移植までの期間が短縮されます

骨髄バンクでは、ドナーとのコーディネートが必要なため、移植の実施までにはかなりの時間を要します。これに対し、さい帯血はすでに凍結させてあり、コーディネートの必要がありませんから、移植までの期間が短縮されます。骨髄移植を希望する患者さんの中には、病気の進行が切迫して、コーディネートを待つことが難しい場合もあります。このような患者さんにとっても、さい帯血により、移植を受けるチャンスが得られることになります。

さい帯血の採取

善意でさい帯血を提供して下さることに同意された妊産婦さんから、出産の時にさい帯血を採取します。詳しくは「さい帯血の提供について知りたい」をご覧下さい。

さい帯血の冷凍保存

採取されたさい帯血を凍結保存します。さい帯血は採取したそのままを凍結するだけでは、細胞が死んでしまいます。不必要な細胞を除去し、大切な細胞を取り出して、さらに凍害保護剤という薬を用いて凍結保存します。この作業は、専用の無菌室を使用し、専門の担当者がひとつひとつのさい帯血を「手作り」で3〜4時間かけて行います。また、凍結保存は、さい帯血の採取から24時間以内に行わなければなりません。

さい帯血の検査

凍結保存したさい帯血が、安全にさい帯血移植に使用できるかどうか、すべてのさい帯血について、血液学的検査、血液型検査、HLA検査、感染症検査、無菌検査を行います。これらの検査に合格したさい帯血のみを移植細胞として提供します。日本さい帯血バンクネットワークに加盟している各さい帯血バンクでは、輸血用血液の基準に合わせて厳密に行っています。

さい帯血移植のためのさい帯血の提供、搬送

さい帯血移植を実施する移植病院に対して、さい帯血の提供および搬送についてお手伝いをします。詳しくは提供を受ける各さい帯血バンクに直接ご相談ください。

各種データの管理

さい帯血の採取や凍結保存、検査のデータの管理を行います。また、さい帯血移植に関するデータも管理するとともに、よりよい移植にするための評価も行っています。個人情報の管理は厳密に行い、プライバシーの保護には十分配慮しています。

さい帯血バンクおよびさい帯血移植に関する情報提供

さい帯血に関する皆様からのお問い合わせにお答えするとともに、新しい情報も様々な方法でお知らせしています。また、さい帯血移植を受けたいとお考えの患者さんやご家族のために「さい帯血移植患者相談」も行っています。 詳しくは提供を受ける各さい帯血バンクに直接ご相談ください。

日本のさい帯血の現状

日本国内には、厚生労働省から認定されたさい帯血バンクが11カ所あります(平成15年4月現在)。これらのさい帯血バンクは、協力して患者さんへのさい帯血の提供を行っています。

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